僕等が保つべき体温の最大
圭一の事を知る事。

それを知ると言う事は、圭一の彼女の事についてもふれてしまうということだ。

菜緒は、やはり圭一をウワサ程度でしか知らないから、結衣の存在は知っていても、その姿や形までは知らない。

”どんな人なんだろう…”

そんな興味は、その都度とてつもない不安になって菜緒を締め付けたが、それでも失う事はなかった。

年は一緒だろうか?名前はなんだろうか?どんな顔をしてるのだろうか?

実際何の役にたつのか解らないが、そんな基本情報はもちろん、

血液型は?誕生日は?好きな歌手は?

といった、おまけみたいな情報までも菜緒は、欲しいと思った。

そして、想像に身を任せ思い描く。

圭一の彼女の存在は。

”ハア…”

やはり、苦しいものだ。

好きな人の好きな人の事を想像する事は。

菜緒は、結局そんな事を取っ払って圭一をひたすら思う。

厳密に言えばポジティブとは、言えない。

< 34 / 128 >

この作品をシェア

pagetop