僕等が保つべき体温の最大
7 過去と未来の線分
最近、圭一は視界の中に菜緒をよくみつける。
不自然なくらい、菜緒は圭一の視界の中に現れる。
そして、その度に圭一は逃げる。目でも合わせたら大変たと感じていたから。
今朝もそうだった。
朝の混み合ったホームの人混みの中で、容易に菜緒の姿を見つけた。
見つけて直ぐに背を向けた。
”なにも、意識しなくたって…”
自分で自分をたしなめてみても、その割りにはこれぐらいが調度いいのだとも認めていた。
意識して遠ざける事をしないといけないと、圭一は感じていたのだ。
でも、それは半分認めてしまっているようなもんだった。
菜緒の事を気にしてしまっていることを。
”熱くならないんじゃないのか?俺は?”
今までどんな女の子と遊んでも、ただの気晴らし程度で、そこまで意識して遠ざけるような事はしなかった。
それなのに、今圭一は菜緒の存在を消し去る事に一生懸命だ。
不自然なくらい、菜緒は圭一の視界の中に現れる。
そして、その度に圭一は逃げる。目でも合わせたら大変たと感じていたから。
今朝もそうだった。
朝の混み合ったホームの人混みの中で、容易に菜緒の姿を見つけた。
見つけて直ぐに背を向けた。
”なにも、意識しなくたって…”
自分で自分をたしなめてみても、その割りにはこれぐらいが調度いいのだとも認めていた。
意識して遠ざける事をしないといけないと、圭一は感じていたのだ。
でも、それは半分認めてしまっているようなもんだった。
菜緒の事を気にしてしまっていることを。
”熱くならないんじゃないのか?俺は?”
今までどんな女の子と遊んでも、ただの気晴らし程度で、そこまで意識して遠ざけるような事はしなかった。
それなのに、今圭一は菜緒の存在を消し去る事に一生懸命だ。