僕等が保つべき体温の最大
だいたい、洋太は何が言いたい?

圭一には、そこらへんが上手く整理出来なかった。

結衣と出会う前から、洋太とは仲がいい。だから圭一にとって結衣の存在が、どれぐらいのものなのかもよく知っている。はずだ。

”まだ好きなのか?”
”ちゃんと考えてみたら?”
”過去にすがるな”

どの質問も見事に意味が解らない。的外れな質問に一体どうやって答えろというのか?

”俺は……”

結衣が好きだし、ちゃんと考えてる、それに…。

”見てるのは未来だ。結衣と一緒にいる未来だ”

圭一の決意は固い。結衣に対する思いもあるし、なによりも自分自身もう昔みたいな思いもしたくない。

結衣を失い続けた日々には、戻りたくないのだ。

「悪い事なのか?」圭一は聞く。

「なにが」洋太は抑揚もなくそれに答えた。

「結衣を思い続ける事は?」

洋太はひどく苦しそうな顔で、その質問に応えた。

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