僕等が保つべき体温の最大
8 出会った頃の話
スケッチブックを拾ったことで、今朝は圭一を見失ったが、菜緒は好都合だと感じていた。
もちろん、返すことで話す口実ができたから。
”「これ、落としてましたよ」「ありがとう」「いえ、こちらこそこの前は…」”
これだけでなく、その他にもいくつものパターンが菜緒の頭の中で繰り返された。
入念に行われるイメージトレーニングは、どこまでも菜緒をその気にさせた。
”よおし、捜すぞ!”
良いイメージでいっぱいになった、少し痺れた頭を抱え、菜緒はいつものレーダーを働かせた。
”見つけた!”
秒殺……。自慢のレーダーで見つけた圭一は、洋太と一緒にいた。
”ケンカしてる?”
遠目にみると、二人は言い争いをしている様に見えた。
ソロリと近づこうとすると、何やら言って圭一は立ち去ってしまった。
「あっ!」
声に気付いてか、洋太が振り返った。
目が会って会釈を交わした。
もちろん、返すことで話す口実ができたから。
”「これ、落としてましたよ」「ありがとう」「いえ、こちらこそこの前は…」”
これだけでなく、その他にもいくつものパターンが菜緒の頭の中で繰り返された。
入念に行われるイメージトレーニングは、どこまでも菜緒をその気にさせた。
”よおし、捜すぞ!”
良いイメージでいっぱいになった、少し痺れた頭を抱え、菜緒はいつものレーダーを働かせた。
”見つけた!”
秒殺……。自慢のレーダーで見つけた圭一は、洋太と一緒にいた。
”ケンカしてる?”
遠目にみると、二人は言い争いをしている様に見えた。
ソロリと近づこうとすると、何やら言って圭一は立ち去ってしまった。
「あっ!」
声に気付いてか、洋太が振り返った。
目が会って会釈を交わした。