僕等が保つべき体温の最大
10 事故で失ったはずのもの
「あのさあ」
洋太が少し困った顔で話しかけると、菜緒は泣きながら洋太に向いた。
「あんまり、大きな声で泣かれると、俺がなんか勘違いされるみたい…」
確かに、行き交う人の視線が冷たい。中にはコソコソと言い合っている人もいる。
菜緒は、洋太にそういわれると、泣くのをやめて背筋を伸ばした。それでも滲む涙は、その都度強く拭い取った。
そんな菜緒を見て洋太は微笑む。
いつでも。何をやっても。等身大の菜緒は、感情ですら反射神経にコントロールされてるかのようにその時思った事を行動に移す。
それは、見ている側にも心地よい。
「神木さんのそういうところ…」
凄くいいと思うよ。
菜緒には何の事だか分からなかったが、サラリと言われて、今度は照れてうつむいた。
「出会った後。その後はどうなったの?」
菜緒に促されて、洋太は思い出したように話しの続きを始めた。
洋太が少し困った顔で話しかけると、菜緒は泣きながら洋太に向いた。
「あんまり、大きな声で泣かれると、俺がなんか勘違いされるみたい…」
確かに、行き交う人の視線が冷たい。中にはコソコソと言い合っている人もいる。
菜緒は、洋太にそういわれると、泣くのをやめて背筋を伸ばした。それでも滲む涙は、その都度強く拭い取った。
そんな菜緒を見て洋太は微笑む。
いつでも。何をやっても。等身大の菜緒は、感情ですら反射神経にコントロールされてるかのようにその時思った事を行動に移す。
それは、見ている側にも心地よい。
「神木さんのそういうところ…」
凄くいいと思うよ。
菜緒には何の事だか分からなかったが、サラリと言われて、今度は照れてうつむいた。
「出会った後。その後はどうなったの?」
菜緒に促されて、洋太は思い出したように話しの続きを始めた。