僕等が保つべき体温の最大
その時、携帯電話がなった。

圭一は少し嫌な予感がしたが、それはただの取り越し苦労だったようだ。

携帯の待ち受けには洋太の名前が表示されている。

「もしもし、圭一か?どうした?」

受話器から聞こえてくる声を聞きながら圭一は昨晩遅くに電話をしていた事を思いだした。

洋太は、その着信を見て電話して来たのだろう。

圭一は、昨晩話そうとした事をそのまま話した。

「結婚するんだ。学校も辞めようと思う。」

少し間が置かれたように沈黙が訪れた。

「洋太?聞いてるか?俺は前に進もうと思う」

「本気か?」

「もちろん」

洋太が何か言おうとしていると圭一は気付いていたが、話しを先に進めた。

「結衣と二人で生きて行こうと思う。いろいろありがとう」

「ちょっと待て!」

圭一は自分の話しが終わったので通話を切った。

そして、更にすがすがしい気持ちで結衣の寝ているベッドに戻った。

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