秘恋
「少しはスッキリしたか?」
「微妙。
でもほんのちょっとだけ
心が軽くなった気がするよ」
「希帆ちゃん。それはお礼の言葉ってことかなぁ?」
「さぁ?」
「でも俺そんな言葉より
キスの方が嬉しいんだけど?」
「バカ!!」
「だってもう彼氏いないんだし、
別にいいじゃん」
いつもの調子に戻る彼。
やっぱり訂正。
アイツがいて良かったとか
一瞬でも思ったあたしは
バカだった。
相変わらずだけど、
コイツのペースに少し落ち着いている自分が隅っこにいた。
「それにさ……」
「ん?」
「これからは
遠慮なく攻めていくから」
真っ赤な空の下。
彼の言葉に
頬も耳も赤くなった。