ひとりがさみしいなら
裕貴くんの言葉だけが

頭の中で

こだまする―――――・・・


「あの女の子・・・沢田小結菜(さわだ・こゆな)ちゃん・・・って言ってたっけ」

どうして裕貴くんは、あたしなんかなんだろう。

小結菜ちゃんのほうがよっぽど可愛い。

あたしなんて比べ物にならないのに―――。


次の日。

「あ・・・小結菜ちゃん!」
あたしは通学中に、小結菜ちゃんを見つけた。

でもなんだか・・・ガラの悪い男たちと一緒にいる。
なんだろ・・・?


「小結菜、お前あの葉月裕貴って奴落としてきたか?」
「それが―――・・・苦戦中。
なーんかあいつ、女優の南萌香が好きでしょうがないみたいで―――」
「なんだよそれー。
それじゃあいつ、小結菜の美しさじゃ落ちねぇって事かよ」


・・・え・・・?
どーゆーイミ・・・




「・・・ほんっとうざいわよね、葉月裕貴。
サッカー部で目立ちすぎなのよ。
こらしめてやんないとね――――――」




小結菜ちゃんの言葉が頭の中にこびりついた。

なにそれ・・・

何それ―――――!!?
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