ひとりがさみしいなら
裕貴　I think
萌香とあの野郎が付き合ったとか。

萌香とあの野郎がデートしたとか。

―――報告受けてから結構経ってんのに、まだ信じきれてねぇこのオレはなんだ?


・・・あのとき、まじで思った。

“オレと結ばれなくても、萌香が幸せならそれでいい”って・・・。

なのになんで今、こんなに焦ってる?

「情けねーな・・・」

しかしオレ、ここまで萌香に惚れてたのか・・・。


・・・萌香が幸せならそれでいいとか。

かっこつけた事言ったくせに。

ほんとはオレ、報告受けたとき頭ん中金づちでぶん殴られたかと思った。

それくらい―――ショックだったんだ。

まだ、諦めきれてねぇとこがあるってわかってる。

だけど、萌香は―――――

もう、奪う事はできない。

あの青山って野郎、オレよりイケメンだし。

オレより女慣れしてそうだし。

オレより萌香幸せにできそうだし。

オレは、青山に勝てるところなんて1つもない。


だから――――――応援するんだ。


萌香は今でも好き女だ。

だから―――――

だからこそ、青山とうまくいくことを誓う。

オレには、それくらいの事しかできねぇんだ――――
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表紙・目次

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