続・特等席はアナタの隣。
えぇっ!?和泉君!?
なんでここにいるの!?

経済学部の和泉君と、家政学部の私は、受ける講義が全く違う。もちろん、今の講義は和泉君は受講していない。


あんぐりと口を開けたまま固まっていると、和泉君はキョロキョロと教室内を見回していた。

もしかしなくても、私を探しているに違いない…。

「和泉君!」と声をかける勇気などなくて固まったままでいると、周りの女の子たちが和泉君に近付いていった。

「黒崎君でしょ!?どうしてここに!?」
「こっちの席空いてるから座って!」

普段の声より1オクターブ高いと思われる声で、女の子たちが和泉君にすり寄るように話し掛けている。


あぁ…あの子たち…。和泉君のこと全然分かってないよ…。

和泉君はああいう馴れ馴れしい女の子が大キライだ。


ほら、どんどん眉間のシワが深まって、不機嫌な顔になっている。
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