続・特等席はアナタの隣。
立ち尽くしたままその光景を見ているが、向こうは俺の存在に気付くことなく人ゴミの中を歩いている。


「……あれって…モカ?」

立ち止まった俺とその視線に、亮さんもモカに気付いたようだった。


「隣の男、…お前の知り合い?」

2人の姿を見た亮さんが、俺の様子を伺いながらそーっと聞いてきた。

亮さんも知らない男らしい。


「いえ…」

ただ、そう答えることしかできなくて、2人から視線を逸らした。

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