続・特等席はアナタの隣。
「家に、連れて帰っていい?」

「え?えーと……私を?」

「当たり前だろ」

ったく、と和泉君は私のとんちんかんな問いに少し呆れた顔をした。


「モカ以外に誰がいんの?」

そう言った和泉君は、私の頬に手を添えて、唇に軽くキスを落とした。


「で、でも…!!何も言わずに出てきちゃったし…!!」

突然の甘い雰囲気に、カーッ!!と真っ赤な顔をして答える私を、和泉君は熱い視線で見つめてくる。

「……帰したくない」

そして、ギュッと抱き締めながら、こめかみや頬、耳に次々とキスを落としてきた。


も、ムリ…。

スーツ姿のせいもあって、いつもより格好よく見える和泉君にクラクラして抵抗できない…。

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