続・特等席はアナタの隣。
「……いや、悪い。さっきまでモカのこと考えてたから、まさかと思ってつい手が…。兄貴だと思って出たから、驚いた」

そう言って和泉君は苦笑した。


よかった…。避けられたわけじゃなかったんだ…。



「で…何かあったか?」

「あ、そうだ…!!突然ごめんね!!家に押しかけちゃって…」

「いや、それはいいけど…どうした?大丈夫か?」


どこか心配そうに私を見る和泉君に胸が締め付けられる。


こんな非常識な私に怒りもせず、心配そうに聞いてくれる。


「あのね…」

どこまでも優しい和泉君に、ちゃんと話しをして私の想いを伝えようと、しっかりと目を見つめた。

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