続・特等席はアナタの隣。
「てめぇ…俺のモカに何してる」

和泉君の前に立ったお兄ちゃんが、私から和泉君を突き放しながら静かな怒声で言い放った。


「……俺の、モカ?」

その言葉に、今度は和泉君をまとう空気がスーッと下がり、お兄ちゃんに負けじと恐ろしく鋭い表情で睨み返している。

ど、どうしよう!!和泉君、最強MAXに不機嫌な時の顔だ!!

先ほどの、女の子に囲まれた時や、後藤君に呼び止められた時など比じゃないくらい。

やばい!!和泉君超怒ってる!!

ハラハラと見てる場合じゃないよ私!!


「モカ、誰だこいつは」

和泉君はお兄ちゃんを睨んだまま、私に向かって言い放った。


「ち、違うの和泉君!!これ、お兄ちゃんなの!!」



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