続・特等席はアナタの隣。
「モカ!?」

ま、まずい…!!

部屋で待ってたはずじゃ…!?

冷や汗をかきながら固まっている俺をよそに、兄貴とモカがじーっと顔を見合わせていた。



「もしかして、和泉の彼女?」

「え…あの…。和泉君、こちらは?」




頭を抱えながら深いため息を吐いた。さすがに、もう隠すことなんてできない。


「モカ、……これ、兄貴」

「え!?お兄さん!?」


慌てたように「はじめまして!!」とお辞儀しているモカに兄貴が近付き、スッと手を差し出した。

「はじめまして。モカちゃんっていうの?会いたかったよ」


キラキラとムダに笑顔を振りまく兄貴に、モカもおずおずと手を出して握手していた。


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