続・特等席はアナタの隣。
あの時の状況を思い出していると、今でも恥ずかしくてたまらない。

たぶん顔は赤くなっているけど、誤魔化すように和泉君に話し掛けた。



「今日はお兄さんいないの?」

「あぁ。仕事で帰ってこない」

「そうなんだ…」


じゃあいいよ、と了承の返事を返そうとしたとき、ハッと思い出した。


「ご、ごめん和泉君!!今日はダメだった!!」

「……何で?」

「今日、お母さんに早く帰ってきてって言われてたの…。ごめんね」


申し訳ないと思いながら謝ると、和泉君の頭がガクッと落ちた。
< 90 / 387 >

この作品をシェア

pagetop