続・特等席はアナタの隣。
そして、一向に気分は晴れないまま、講義を終えてまっすぐ家に帰った。

「ただいまー…」

玄関で靴を脱いでいると、2階からダダダーッと走ってくる音が聞こえてきた。


「モカ!!あいつに何もされてないか!?」

「お兄ちゃん…」

あの日以来、お兄ちゃんは和泉君とのことに目を光らせている。


「もう…いい加減にしてよ…」

「ダメだ!!あいつには近付くな!!あの男、他にも絶対遊んでるに決まってる!!」

「だから!!和泉君はそんな人じゃないってば!!お兄ちゃんと一緒にしないでよ!!」


和泉君が男前だという理由だけで、勝手に遊び人だと決め付けている。私が騙されていると思っている。


もう…みんなして…。そんなに私と和泉君が付き合うのは不自然なの!?


< 95 / 387 >

この作品をシェア

pagetop