裏切り恋愛
――翌日。
「おっはよー!」
すっかり回復した実由は元気良く舞と共に教室に入ってきた。
実由がちらっと圭斗の席を確認すると、圭斗はもう来ていて、コウと話していた。
こっちに気がついたコウが、笑顔で手を振ってくる。
そそくさと、舞が手を振り返した。
実由は舞の後ろで、小さく手を振った。
圭斗はその間もずっと、実由から目を逸らしていた。
チャイムと同時にホームルームが始まる。
「席つけよー」
担任の島田先生、通称「かっぱ」が大声を張り上げる。
「今日は、転入生を紹介する。入れ」
島田先生がドアの外で待っている転入生に声をかけた。
ゆっくりと転入生が教室に足を踏み入れる。
―ザワッ
教室内が一気にざわついた。
「うっわ……かっこいー……」
「まじで、やばいよっ」
「何あの人!背たかーい」
「足なっが!カッコイイ!!」
女子が騒ぎ出す。