裏切り恋愛
実由もその転入生を見上げた。

足、すっごく長い……。
手、指も長くて……スラッとしてる。
顔……って、わぁ……すごくカッコイイ……。

茶色の短髪で、スッキリした顔立ち。
目はまん丸で大きくて、鼻はスラッと高い。
肌もとっても綺麗で、誰もが羨むほどの美形といっていいだろう。
彼は

「今日から一年二組に入る、小高慎吾です」

と自己紹介した。

「きゃー!慎吾くんだって!!」
「めっちゃタイプなんだけど!」
「やばくない!?」

また、女子が騒ぐ。
実由も、彼に見入った。
前の席で、舞も彼をまじまじと見ている。

「じゃあ席は……井山の隣だ」
「……へっ!?」

クラス中の女子が一気に実由のほうへ向く。
視線をしっかりと受け取ってしまった実由がガタン、と席を立つ。

「あいつだ、井山。あいつの隣だぞ、行きなさい」

島田先生は冷静極まりなく慎吾に机と椅子を差し出した。

ちょちょちょっと!!何勝手に決めてんの!?嘘でしょ?かっぱぁー!!

実由は心の中で叫んだ。

ちょっと……ラッキーかもだけど、でも女子の視線がぁ……。
怖いよ!なんであたしの隣!?
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