裏切り恋愛
鈍い音がしたかと思うと、そこには慎吾の背中の上に鞄を置いて、少し怒り気味のコウと圭斗の姿があった。

「圭斗、コウくん?」

実由は首を傾げて二人を見た。

「帰んぞ」

圭斗はボソッとそう言った。

「おい、小高。実由に手出さないでくれる?」

コウが低い声で言った。
慎吾は、軽く笑うと、

「じゃあね実由チャン。また明日も教科書、お願いね」

と言いながら教室を出て行った。

「なんだよあいつ!」

コウがうざったるそうに言う。
そこに帰り支度をした舞も寄って来る。

「ねねっ、実由、慎吾くん超いいじゃん!ね?」

舞は興奮気味にそう言ってくる。

「え?いやっ!絶対ない!」

実由は断言した。

だって、軽そうだし、ナルシストだもん!

実由は首を振り続けた。
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