裏切り恋愛
「俺、やだ」

ボソッと後ろから聞こえる声。

「は?拒否権ねーよ圭斗は」

コウがニヤつきながら圭斗に言う。
圭斗はそーゆーの苦手、と呟きながら面倒くさそうに下を向いた。

「行こうよ、圭斗」

実由はドキドキする胸を押さえて圭斗に聞いた。

最近話していなかったから、気まずいな……。
圭斗、返事してくれるかな?

心配なことが多くて、実由は圭斗を見つめる。
圭斗は、ちらっと実由を見る。

「……いーよ」
「……えっ?」

今、いいよって……?
嘘!本当に?圭斗がっ!

実由は舞い上がる気持ちを圭斗にばれないように微笑んだ。

「なーにニヤけてんだよ、実由」

コウが実由をひじで突付いた。

「べっ、別に!コウくんには関係ない!」

実由はコウにべーっとして、スタスタと歩いていく。
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