ロンド


「探らないでほしい」



息を切らせながら彼は言った。



「誰にも、何も出来ないんだから……」

「そんなこと……」

「君は、信じてる?」



ふと言われた、ここ最近はもう聞きなれた言葉。



「『呪い』だってこと」



『呪い』

これは何かの『呪い』。

『呪い』かもしれない。

でも、『呪い』以外に考えられない。



信じてるか、信じてないかって言われたら……。



「信じてない。でも……原因が分からないからそれ以外に言いようがない」



今までの被害者三人。

これからもっと出てくるかもしれない被害者……。

事前に食い止めることさえできれば……。
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