ロンド


……突然、蓮くんが笑った。


「蓮くんが……」

「……不気味だなオイ」

「なんだよ、お前が恥ずかしいなんて連呼するからだろ?」

「だからって笑うかよ」

「笑ってねーよ」

「明らか肩震えてんだろ!?」

「……ぷっ」


今度はあたしの番だった。


「なに笑ってんだよ由衣」

「だって、二人ともちゃんと兄弟してるんだもん」


二人の間には、いつものようなピリピリした空気はない。


蓮くんが笑ったことで、そんな空気は和んだらしい。

白百合さんが目覚めたことで、蓮くんと蘭くんの不安が消えたからっていう理由もあるかもしれない。
< 108 / 150 >

この作品をシェア

pagetop