ロンド


「行くぞバカ」


そう蓮くんは……おそらく蘭くんに向かって言ってから靴を脱いだので、あたしも靴を脱ぐ。


階段を上がってすぐ手前の扉を開くと、片付いている……というより物が少ない。

蓮くんはあたしの手を引いたままベッドに連れて行き、あたしを座らせてくれた。


「床は少し汚いから、ここね。あ、お前は床な」


……なんだろう、この差別のような扱いは……。


でも、こんなこと普通に言ってるけど、本当は感謝してるんだろうな……。

だって、蓮くんは優しいし、しっかり者だから。

ただ少し素直になれないだけ……。


「だったらテメェも床座れや」

「俺の部屋だ。どこでもいいだろ?」

「だったら普通客優先だろ!?」


……再び火花が散っているよっ!!
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