ロンド
「……眠ぃ」
いきなり蘭くんはそう言った。
「は?」
「俺、お前のせいでまだ寝てねーの。どうせ明日学校休むし、今から爆睡する」
「ば、爆睡……?」
「暁の部屋どこだよ?」
「……隣」
蓮くんの部屋は階段を上がってすぐ手前にあったから、隣の部屋は一つしかない。
「あーねみぃねみぃ。じゃーな、結衣また明日」
「あ……明日?」
そう言って蘭くんは部屋を出て行った。
明日も、会うの?
……蘭くんはおそらく、隣の暁さんの部屋で寝るんだろう。
いきなり二人だけの空間。
しかも二人ともベッドの上で、蓮くんといつもより距離が近い。
それは、ずっと手を繋いでいたから、自然とそうなった。