ロンド
病院に着くと、想像以上の事態になっていた。
もう、目が覚める覚めないの問題じゃない。
病院が大騒ぎだった。
「やぁっ!!来ないで!!ヤメテーッ!!」
泣き喚きながら手元にあるものを手当たり次第看護士さんやお医者さんに投げつけている藍がいた。
「危ない!!」
藍が……あたしに向かって枕を投げてきたけど、蓮くんがかばってくれた。
「……これは……」
「マズい、パニック起こしてる。状況がわかってないんだ」
「藍……」
近付こうにも近付けない。
「藍……藍……藍っ!!」
「由衣っ!?」
走って藍のもとに向かうあたしの後ろから、蓮くんが呼んだ声がした。
でも、もう止められない。
なんとか藍のいるベッドに辿り着き、藍をギュッと抱きしめた。