ロンド


「藍!藍!藍!!」


そう大きな声で叫ぶと、動きが、止まった。


肩を上下させて息を調えている。


「藍、わかる?わかる?あたしだよ、由衣だよ?藍が大大大好きな、由衣だよ……」


なだめるようにそう言うと。


「……ゆい……?」


ゆっくりとあたしを見たと思ったら、さっきよりも泣き出した。

その場にいたみんなは驚いていたけど、蓮くんはゆっくりあたしたちに近付いてきて、笑ってくれた。


「よかったね」

「うん……藍?大丈夫?どうしたの?」

「怖かっ……た、グスッ……一人きり、真っ暗……白い服のっ……グスッ」


うん、わかる。


「……泣いてっ……」


白百合さんが、泣いてたんだよね。
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