ロンド


「ちょっ……あのっ……俺マズいこと言った?」



キョドる蓮くん。



それがなんだかおかしくて。

常に冷静でいる印象だったから……。



「ごめん、嬉し涙」



「……嬉し涙?」



そう、嬉し涙。



「『呪い』への不安、蓮くんと話すとすぐに消えちゃうね」

「え?」

「『呪い』は移らない。会っても大丈夫。だから、会いに来てくれる。そんなこと言ってくれるの、やっぱり蓮くんだけなんだよ」



ホントはね、ほんの少しだけ、不安だったの。

周りが『移る』って言葉を使うから、いつかあたしまで意識がなくなっちゃうんじゃないか。

……そのまま、忘れ去られちゃうんじゃないか、ってね。
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