ロンド


いつの間にか学校に着いていた。

こんなにも楽しかった時間は久しぶりで、本当に最近笑ってなかったんだって実感した。



から笑いならいつもあった。



藍の前で、クラスメートの前で、家族の前で……。



笑えたことに、幸せを感じた。



「今日は明るいじゃん」



教室に着くとふと声をかけられた。



それは、さっき話してた"絡まれた時に助けてくれた男子"。

確か……なんちゃら由季渡(ゆきと)。

まぁこの通り、苗字忘れましたけど。



「……なに?」

「良いことあった?」



……なんで、今日に限って話しかけてくるんだろう?



「……そうでもないけど」
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