ロンド
でも実際、テレビで見たことのあるような感じみたいに、うまくはいかない。
それどころじゃない。
生徒は七時で帰される。
夜が危険だからって、警備員の人数が増えてる。
入れないように、門の前にはたくさんの警備員の人、そして先生たち。
……とてもじゃないけど、入る気にはなれない。
そんな賭けをさせてもくれない。
基本的に先生の考えは、『呪い』じゃなくて『不審者』。
『呪い』なんて形ないものじゃなくて、『不審者』という、一応は形あるものに対して警戒している。
何者かが侵入して、中にいる生徒をどうにかして意識不明にさせたんだと考えている。
もちろんあたしも最初はそう思ってたけど、さすがに原因が分からないという点で、おかしいとは思った。
化学薬品を使ったなら体内から検出されるだろうし、殴られたりなんなりされたら痕が残るだろう。