ロンド


『無』である限り、『呪い』としか考えられない。

生徒たちだって、そういう結論に達したんだろう。



あたしもそうだ。



でもこの状況はダメだ。

ヘタしたらパトロール中の先生に見つかるかもしれない。



現在八時半。

校門近くにある家の陰に隠れていた私は、仕方なく帰ろうとため息をついた。



──その時だった。



「ねぇ」



びくっ!



後ろから肩を掴まれて声をかけられた。



まさか先生にみつかった!?

天の神様仏様女神様、どうか先生ではありませんように!!



そろりとゆっくり首を回すと、そこには男の子が私を見下ろしていた。

……あ、ウチの制服だ……。



「……あ、あの、えっと……」
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