ロンド


「あ、由衣ちゃん……?」

「え……?」


さっきまで泣いていた女の子があたしに気付いてそう言った。


「あ、ごめんね、由衣ちゃん今は有名人だから」

「あたしが……ですか?」

「三人目の……藍ちゃんの親友って」


あ……納得。


みんなあたしを避ける。

知らない人まであたしを避ける。

避けるってことは、あたしを知ってるってことだから。


「あたしは二年の雅(みやび)っていうの。今日『呪い』にかけられた翔(かける)の彼女なんだけど……」


やっぱり、関係者だった。


「雅ちゃん……『呪い』じゃないよ」

「……え?」
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