ロンド
「あたしも詳しくは知らないんだけど、『呪い』は移らない。『呪い』をかけられた人が藍たちの意識をなくしてるみたいで……それしか、今はわからない」
雅ちゃんは目を見開いた。
「呪われてない、の?」
驚くのは当たり前。
あたしも『呪い』じゃないって知って、驚いたから。
「ごめんなさい、あたし……」
「……え?」
「呪われるかもしれないからって、由衣ちゃんに近づかない方がいいって言われてて……」
普通、そう思っちゃうと思う。
だって、呪いが移るかもしれないって可能性だけで、避けるかもしれない。
あたしだって、この立場じゃなかったら知らなかったし、その人の傷も知らずに避けていたかもしれないから。
「気にしてませんから」
そう言って笑った。