ロンド
放課後、雅ちゃんが教室まで迎えに来てくれた。
「由衣ちゃん、行こう!」
クラスのみんなはもちろん驚いていた。
校門に出る前に、暁さんに呼び止められた。
「由衣ちゃん!」
「あ、暁さん」
「な、な、な、ななななみセンパッ……!?」
怖がる雅ちゃん。
まぁ、不良のリーダーだしね。
「俺の苗字にはそんなに"な"はねーよ」
「す、す、すみませ……」
「由衣ちゃん、応援したいような、したくないような」
そう言いながら暁さんはあたしに二本のペットボトルを渡した。
「差し入れ、二人にやるよ」
暁さんからスポーツドリンク二本をもらい、一本を雅ちゃんに渡した。