ロンド
天魔の伝説
『天の子』と『魔の子』は、何の前触れもなくこの世に落とされる。
その間は何年、何十年それぞれ間隔が違う。
だが、どうやら今年はキてしまったようだ。
『魔の子』は、その生涯の中のたった一年だが、本来の姿が目覚め、『暴走』する年がある。
『魔の子』はその体を乗っ取られ、『天の子』は抑えるために存在するといわれている。
それが今年のようだ。
『暴走』の間隔もまちまちで、いつ『暴走』が始まるかは誰にもわからないらしい。
『天の子』と『魔の子』自身にもだそうだ。
これはこの辺りで知られている伝説だ。
『天の子』と『魔の子』は双子で、呪いともとれる証がある。
その証は、左胸……心臓のある辺りに不自然なあざがあるらしい。
『天の子』は天使の輪のような楕円の形。
『魔の子』は死神の持つような釜の形。
『天の子』は愛でられ、『魔の子』は軽蔑の眼で見られるらしい。