ロンド
「これが私の知っている天魔の伝説だ」
この話を聞いて、あたしは耳を疑った。
今の話が本当なら、『魔の子』だと思われる蘭くんが『呪い』にかけられているということになる。
蘭くんの中に『深宵』がいるとすると、蘭くんが藍を……?
蘭くんが『魔の子』であるなら、双子である蓮くんは『天の子』?
そう言えば、二人は別々に住んでるって言ってた……。
すべてを知ってるだけじゃない、二人とも当事者だったんだ。
そのお兄さんである暁さんが知っていても不思議じゃない。
「結衣ちゃん……?」
「あ……うん。ありがとうございました。助かりました。参考にさせていただきます。それじゃ、あたしは帰ろうと思います」
「え、もう帰るの?」
「藍のところに行ってから帰るけど、もう行くね」
「あ、うん。バイバイ」
「またね」