ロンド
蓮くんと間違えたことは伏せておこう。
蓮くんは蘭くんのことをよく思ってないみたいだから。
「そうか……伝えとく」
「ありがとうございます」
「会うのか?」
蓮くんの目が怖い。
「……約束したこともあったから……」
蓮くんに知られない方がよさそうだ。
『もしも情報が入っちまったその時は……言わなくても来るか。暁んとこ行って。そうすりゃ俺はいつでも会えるから』
蘭くんはそう言っていた。
その『情報』っていうのが、『天魔の伝説』のことなんだと思う。
だから、あたしは蘭くんに会う。
用もないのに呼ぼうなんて思わないだろう。
たぶん、伝説について付け足すこととか、蓮くんのこととか、何か話があるんだと思う。