ロンド


「だから、伝説がもう違うんだよ」

「へ?」

「白百合と深宵、分かるか?」

「『天の子』と『魔の子』の中に入っている魂……?」

「そうだ。俺の中には深宵がいる。あざだって深宵を象徴する釜だ。でも、深宵から聞いた真実は伝説とは違う」


……深宵から聞いた……?

てか会話とかできんの!?


「確かに深宵が生きていた頃には、深宵が悪の道に進んでいた。白百合に殺されたのも確かだ。でも、問題はそこから」

「そこ、から……?」

「白百合は自分の手で深宵を殺したことによりパニックに陥り我を忘れ、自分を刺した」

「刺した……?」

「白百合が深宵を殺す時に使った道具が、この胸にあるあざの形、釜だ。深宵は殺されたことで目が覚めたけど、白百合はパニックのまま目覚めていない。そのままその時代ごとの母体に憑依し続けた。それが『暴走』の原因」


『暴走』は、パニックを起こしていた白百合さんだったの……!?
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