ロンド
「答えてよ!!」
思わず大きな声が出てしまった。
それに気付いたらしい先生たち。
「今のはまずい。とにかくここから離れよう」
彼はあたしの手首を握って走り出した。
「ちょっ……」
よろめきながらあたしも走る。
走りながら、どこか冷静な自分がいた。
この人は何かを知ってる。
この人から情報を得ることができるかもしれない。
ひたすら走って、ひたすら考えた。
やっと止まると、もう家の近くまで来ていた。
見慣れた景色。
見慣れた道。
家まで数百メートルの距離。