群青ノ春

｢おっはよー奈緒さん。やだ酷い顔！


ってかさー、昨日あれから連絡着たぁ？｣

顔を見るなりケラケラ笑い、紗英子が尋ねてきた。





｢おはよ…頭痛くてそれどころじゃないよー。紗英ちゃんなんでそんなケロっとしてんの…？｣

奈緒は大袈裟にデスクに覆いかぶさって言った。





｢ちょっとー何話し逸らしてるんですかー！怪しーい！｣

余計に紗英子の興味を引き付けてしまったが、本当に奈緒の正直な感想だった。



たった二歳の差でこれほど違うのかと思うぐらい紗英子は顔の調子も良く、体もピンピンしていた。

その若さは少し妬ましくも感じた。





｢今度連絡取ったら報告するよ｣

軽く紗英子をあしらい、着信があった事を思い出し、携帯を出した。





新着メール一件とサブ画面に出ていた。

どうせレンタルショップか居酒屋のチェーンメールだろうと思いながら、メールを開いた。





件名Re;

本文 仕事？電話出ろよー。
つか俺もマジびっくりした！お前全然変わってなくて、昔の奈緒で安心した。店にはいつでも来て！
何気に運命感じたー笑

仕事ガンバレ！！
おやすみ。






携帯を握る手が汗でじんわり湿り、耳の後ろ側がじんじんと熱かった。




昨日の記憶がパラパラ漫画みたいにさらさらと頭を巡った。