加納欄の誘拐 シリーズ21
「……わかった」

高遠先輩は、少しだけ考えると、犯人の指示に従った。

「愛サレチャッテルネェ、課長サン。キャハハハハ」

受話器から聞こえてくる、犯人の声は、コンピュータ操作なのか低い声と高い声が何十にも重なりあっていた。

「課長は、無事なんだろうな」

高遠先輩は、もう一度確認をした。

「大丈夫ダヨ。今ノトコロハネ」

「目的は、なんだ」

「決マッテンジャン。オ金ダヨ。オ金チョ〜ダイ」

「ふざけるな」

「フザケテナンテナイヨ。ソォダナァ。500万……ハ、課長サンノ金額ニ見合ッテナイヨネェ。上乗セシテェ、5千万。チョ〜ダイ」


ご、ごせんまん〜(__)


「ア、ゴメン。ヤッパ1億。相棒ノコト、忘レテタ」


い(>_<)


いちおくぅ(゚o゚)?


「確認シトクケド、松田サンッテ、オタクノ課長サンデイインダヨネ?人違イダッタラ可哀相〜ジャン?」


なんだ?


この犯人(-.-)


「ア、ゴメンネェ。電話切ルネェ」

そう言って、犯人は、また一方的に電話を切った。

「高遠先輩……」

あたしは、高遠先輩を見た。

高遠先輩は、受話器を乱暴に、投げつけた。

沈黙の中、祥子さんが、戻ってきた。

「会議には、元々出てないわ。奥さんから連絡があって、病院行ってから、署に行く事になってたみたい」

高遠先輩が、チラッと祥子さんを見ると。

「苫利君行くよ」

と、言って、バックをつかむと、苫利先輩を引き連れて、課長の自宅に向かった。

「はいっ!」

と、言って、苫利先輩も意気込んで署内を出て行った。

これで、苫利先輩の、非番はなくなった。

「音声、解読できますかねぇ」

あたしは、誰にともなく話した。

「やるだけやってやるさ」

と、鮎川さんが、録音テープの解読にはいった。

「なんで犯人は、課長の名前を確認したんですかね。ワザト、なんでしょうか」

あたしの質問に、誰も答えなかった。


あの喋り方……(-.-)


あの笑い方……(-.-)


自分が優位に立ってると思いこんでる。


相棒の話しがでた時点で、複数犯?



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