ラブ☆ファイト
「キャー、西遠寺く~ん」
ウザイ。
どっから出してんだよ、その声。
「いやー偶然!!
西遠寺くんもこの学校でしかも同じクラスだったなんて……」
よく言うよな、偶然とか。
俺と同じ学校に行くために必死こいて勉強したんだろ?
「運命かも~」
あっそ。
勝手にそう思っとけば?
猫撫で声でキャッキャと騒ぐ女にうんざりする。
しかし、ここでそれを表に出すわけにはいかない。
「またよろしく」
俺は仕方なくいつものように人の良さそうな顔に笑みを浮かべた。