ラブ☆ファイト
そして今、隣に立つ胡散臭い男を見極めるためにあえて何もせずに様子を窺っていた。
勿論、自分のかわりに仕事をやらせるために奴の実力を把握しておく必要もあるんだけど、どうもコイツ、実態が掴めないのよね。
奴が猫を被っているのはまず間違いない。
しかし、では実際はどういう奴なのかと尋ねられるとよく判らないのだ。
私自身、他人に対して装っているところがあり、そういうことには敏感なのだが、奴の正体は掴みきれていない。
いつもならものの数秒で見破ってみせるのに……。
ふん、この私を欺こうなんていい度胸ね。
今にアンタの化けの皮を剥いでやるんだから!!
と、鼻息荒く息巻いていたところ、ようやく奴が動いた。