ラブ☆ファイト
とりあえず今はこの状況をどう乗り切るかだ。

とは言え、ぶっちゃけ考えるのも面倒臭い。


こういう時は……奥の手だ。



やることが決まってしまえば、後は実行するのみ。

今回は行動の結果を予測する必要もない。

結果は見えているのだから。



座席表から適当に選んだ女の席に近付き、目の前にしゃがみ込む。

そして口を開いた。


『風紀委員、やってくれないかな、月島さん?』


勿論、上目遣いも忘れずに。



ビクッと上体を震わせ、俺の美声によって異世界から帰還した女は、俺の視線にぶつかると顔を茹でダコのように真っ赤にし、訳も分からずに激しく頷いた。


『そう、ありがとう』


フッ、狙い通りだな。

一人目攻略成功♪


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