ラブ☆ファイト



あいつ……!!


立ち上がった後ろ姿を見て驚く。


俺を抜かし、入試をトップの成績で合格した奴。

そいつはあの髪の長い、やたら姿勢のいい女だった。


その女はやはりピシッと背筋を伸ばし、厳かに前へと進んでいく。



気に入らねぇ。

何であの女が代表なんだよ?

俺がその他大勢?

冗談じゃない。

俺が一番に決まってんだろ?


まあ今はいい。


腹立たしさを無理やり押し込めて前を向く。



あいつは俺にまぐれでも勝つくらいのガリ勉女。

きっとすげぇダサい奴に決まってる。


壇上に立つガリ勉女の滑稽な姿を見て嘲笑うことで、その場の怒りを鎮めようとした。


しかし、まっすぐこちらを向いた女の顔を見て再び驚くことになる。


抜けるような白い肌、大きな瞳、筋の通った鼻、小さく紅い唇。

女の顔はどこをとっても完璧だったのだ。


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