ラブ☆ファイト
「あんた……」


『西遠寺くん、ごめんね?
私が引き受けちゃったから、ついでに男子の代表もうちのクラスでってことになっちゃって……』


食ってかかろうとした西遠寺と司会者の間に割り込んだ。


これ以上長引かされてはたまらないから。

それに……。


ここで二人の口論を止めれば、私の有能さをアピール出来るじゃない?

ついでに可愛らしさもね。


じっと、とびきり可愛い顔をして西遠寺の目を見つめる。

これで黙らない男はいない。


ああ、素敵過ぎる自分が怖いわ!!


「高宮さん、気にすることないよ、こんな男のこと」


端役はお下がりなさい。

輝かしい舞台の主役はこの私よ。



「高宮さん、気にしないで。
高宮さんと一緒なら、俺が喜んで引き受けるよ」


何なのかしら?

悦に浸っていた私の意識を、含みのある笑みが引き戻した。


この男、何か油断ならない。

そんな気がする。



「改めて宜しく」


差し出された手を控えめに握って。


見下ろしてくる視線に対抗するように、真正面から男の顔を見据えた。



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