ラブ☆ファイト
身を屈め、高宮の唇に自分のソレを押し付ける。



軽く食んで柔らかな感触を愉しみつつ舌先で淵をなぞり、頑なな花弁をほんの少し綻ばせた。


その僅かばかりの隙間から侵入を果たす。



ロッカーについた方の手で、見開かれたままの高宮の目を覆い隠した。


人は視覚を奪われることによって他の感覚が鋭敏になる。

つまり、より感じやすくなる。



「……んっ」


小さく洩れた女の声。


愉悦に口角が吊り上ったのがわかった。



俺は目的のためならば手段は選ばない。

美学を語る人間ほど、その行いは単調でつまらないことが多い。


ある一つの物事を達成する過程においても最大限に愉しむ。

それが俺のモットーだ。



俺自身の目は閉じない。

目の前の生意気な女が陥落していく姿を早く見てみたい。



敵わないと悟ったのか、何か別の考えのもとに動いているのか?


高宮はほとんど無抵抗だった。


唇が重なった瞬間、一度だけ顔を逸らそうとしたもののそれきりだ。

そんなものは抵抗したうちには入らない。

掴んだ手からも今はすっかり力が抜けている。



まあ、この女の思惑が何であろうと関係ない。

俺が狙って落ちなかった女などいないのだから。


罠なんて気付いてから回避すれば十分だろう。



今はただ、快楽に身を委ねたい。


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