ラブ☆ファイト
それにしても、あのスピーチは我ながら素晴らしかったわ。
この日のために連日徹夜で勉強した甲斐があった。
おかげで見事入試トップ合格を果たし、新入生代表の座を勝ち取った。
これで皆の注目や話題は私の独り占め。
学校中の人間を侍らせて、華々しい高校生活を送るのよ。
オ~ホッホッホ!!
「席に着けー。
ホームルームを始めるぞー」
相変わらず、顔には人の良さそうな笑みを浮かべつつ心の中で高笑いをしていると、教室のドアが開いて担任と思しき人間が入ってきた。
「ちぇっ……。
高宮さん、また後でねー!!」
名残惜しそうに自分の席に帰っていく男どもにヒラヒラと手を振ってやりながら、改めて教室の中を見回した。
すると、左隣の席に座っている男が、クラスの女子に向かって自分と全く同じように手を振っているのが目に入る。