見えないお姫さま
謝罪
お兄様を部屋から追い出して、再びベッドに潜り込んだ。
『未婚の異性には姿が見えない魔法』
ということは、ヴァンには私の事が見えていない?
それなのに私、あんな態度をとってしまった。
姿が見えていないのにも関わらず、見ていても良いと言ってくれたのに…。
「アイリ様?」
ラナが入ってきた。
私は潜ったままラナに聞いた。
「ラナは知っていたの?私とお兄様にかかっている魔法の事」
「えぇ。この城に使えている者は魔法を知って働いています」
「じゃあ、ヴァンも…」
「もちろん」
ふと思う。
「ラナはお兄様の姿が見えていないの?」
「6年前から…」
気が付かなかった。
ラナに聞けばお兄様の居場所も分かったし。
「大変でしたよ。アイリ様に気付かれない様にするのは」
顔を出せば、そこには苦笑いのラナが居た。