見えないお姫さま
「貴方の兄弟と同じように私に接してくれて構わないから」
「いや!それはさすがに出来ませんよ」
ヴァンの視線が小指から、私の口に移った。
「さっきはしたくせに…?」
「あー…、確かに。でもさっきは本当に来てくれるとは思ってなくて舞い上がったと言いますか、なんと言いますか……」
この人……、素直過ぎないかしら。
舞い上がったとか、言われるこっちの方が恥ずかしい。
「わ、私がいいって言ってるんだからいいの!」
「はい!」
再びヴァンの背筋がピンッと伸びる。
ふふっ、可笑しな人。
「じゃあ、俺んちには約束を破ると相手の言うことを何でも1つ聞かなければイケナイというルールがあります」
「え?」
「中庭に来なかったら次の日俺の言うこと聞いてもらいますから」
「え?」
え?
えぇ!?